Jump Crypto:ウォール街からブロックチェーンの救世主へ?その急成長と転換点
1.8K

クオンツから暗号資産へのパイプライン
市場メーカーのオンチェーン行動を長年分析してきた筆者にとって、Jump Tradingの変遷は示唆に富んでいます。1999年にシカゴ商品取引所の一員として始まったこの企業は今、暗号資産業界で最も議論を呼ぶ存在に。インフラビルダーとしての顔と、「黒い資本運用人」としての顔を併せ持ちます。
第1章:捕食者の戦略(2019-2022年)
ブロックチェーン分析が明らかにしたJump Cryptoの戦略:
- UST/LUNA: Terra崩壊時の100億ドル規模の裁定取引は伝説的(かつ法的問題も)
- Solana支配: デリバティブ戦略でSOL流動性の約40%を一時掌握
- グローバル展開: 12取引所で同時にアルゴリズムウォレットを運用
彼らの手法?小規模投資家が集まる市場に高度な定量手法を持ち込むこと。伝統的な市場では「不公平」と呼ばれる行為です。
インフラ構築への賭け
2022年以降の規制強化を受けた転換:
- Firedancer開発: Solanaの「秒間100万件処理」クライアントで機関向けDeFiが可能に
- 政策ロビー活動: ワシントンでの会合を公開する異例の透明性
- セキュリティ投資: かつて利用したプロトコルの監査にも乗り出す
逆説的に、彼らが築くインフラはトレーダーとしての実績を凌ぐ価値を持つかもしれません。WormholeやPyth Networkへの技術貢献も大きいのです。
結論:必要な存在なのか?
過去を非難する声はありますが、筆者の分析ではJumpのようなハイブリッドモデル(利益追求型だが技術力あり)がブロックチェーン普及を加速させる可能性があります。彼らがもたらす機関級の実行力と創造性は、過去の問題を上回る価値となるでしょうか?市場が答えを出します。
BlockchainOracle
いいね:62.88K ファン:983