リブラの次なる展開:ブロックチェーン・協会・準備金の3つの戦略
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リブラの規制バランス術
最初のホワイトペーパー発表から9ヶ月が経過し、リブラ協会はブロックチェーン革新と規制遵守の狭間で慎重な歩みを続けています。200以上のDeFiプロトコルを分析してきた筆者にとって、G7やIMFとの対話は特筆すべき取り組みです。暗号通貨プロジェクトが自主的に中央銀行関係者と協議する姿は珍しいからです。
ブロックチェーン戦略
APIインフラ: ドキュメント化されたAPI構築は基本のように見えますが、LIP(Libra Improvement Proposal)プロセスには珍しい謙虚さが見られます。コーディング前にコミュニティの検証を求める姿勢です。
Move言語: 組み込み金融セーフガードを持つこのプログラミング言語は、規制の壁がなければ分散型金融のSQLとなる可能性を秘めています。
テスト体制: 数百万件のテスト取引実施は、ほとんどのレイヤ2ソリューションが誇れないほど入念なデューデリジェンスです。ただし実際のメインネット稼働では予期せぬバグが発生するものです。
準備金の課題
提案されている「単一通貨ステーブルコイン構成」には疑問も残ります。機関客向けに準備金システム監査を行ってきた経験から言えば、透明性は必ずしも安定性を意味しません。グローバルカストディアンネットワークは市場変動時の強みにも弱点にもなり得ます。
ガバナンスの今後
評議会の多様性拡大は進歩的ですが、CEO選任(ブロックチェーン協会はDAOのようなスピードで動いている)など課題も残ります。一方、金融情報機能の設立は成熟した対応と言えるでしょう。AMLコンプライアンスを後回しにする暗号プロジェクトが多い中で貴重です。
最終所見: リブラのロードマップは理論上完璧に見えますが、変動する規制環境下での実行力が真の試練です。FINMA認可進捗は重要な指標となるでしょう。
BlockchainNomad
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