トランプ氏の8つのビットコイン公約: 現実性の検証

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トランプ氏の8つのビットコイン公約: 現実性の検証

トランプ氏の暗号資産転向: 本気か機会主義か?

3つの暗号資産ファンドでアルゴリズム取引モデルを構築した経験から、市場を動かすレトリックと実際の政策を見分ける目を養いました。トランプ氏が2024年ビットコインカンファレンスで宣言した『残り全てのビットコインはアメリカ製でなければならない』という公約について分析します。

数学的問題: ビットコインの総供給量2100万枚の90%が既に採掘済みです。最後の210万枚を米国限定にするには、ビットコインの分散型アーキテクチャを書き換える必要があり、サトシ・ナカモトのビジョンに根本的に反します。

35兆ドルの神頼み

NFTイベントで語られた『暗号資産で国家債務を返済』という発言は、驚くべき無知か、巧妙なマーケティングかのどちらかでしょう。理由は:

  • 時価総額の現実: 暗号資産市場全体(2.4兆ドル)でも米国債務の7%しかカバーできません
  • ボラティリティ問題: 月次30%も変動する資産では国債を償還できません

米国債務 vs 暗号資産時価総額

規制当局との鬼ごっこ

『就任初日にSEC委員長ゲンスラーを解任』という公約は、規制対応に苦しむ暗号資産企業にとっては魅力的に聞こえますが:

  • 解任には正当な理由(怠慢・不正行為)が必要
  • 手続きに12ヶ月以上かかる可能性

専門家としての見解: ビットコイン準備金構想(ラミス上院議員案)にはメリットがありますが、大半の公約は政治的なパフォーマンスです。真価が問われるのは当選後、SEC委員ヘスター・ピアースのような暗号資産支持者が要職を得られるかどうかでしょう。

実現可能性が高い唯一の公約

シルクロード創設者ロス・ウルブリヒトの減刑は大統領権限だけで可能で、議会承認不要です。これが実現すれば、トランプ氏は即座に暗号資産コミュニティからの信頼を得られるでしょう。

結論: トレーダーはレトリックではなく政策詳細に注目すべきです。私が注目するポイント:

  1. マイニングインフラ法案
  2. SEC委員人事
  3. CBDC関連立法の進展

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